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地元児島で最も最前線を走る「フーバル」の石井さんに案内され、一行は全工程を巡る工場見学へ赴いた。





ジーンズをはきこむと、股部分に「ヒゲ」と呼ばれるシワ状の色落ちが見られるようになる。このような色落ちを加工で表現する。
まずブランドや工場ごとに型が異なるシワ状の型をつくる。
(写真の凹凸のある板が型)。
ジーンズの股から脚部分に型を入れ専用のグラインダーをかけると、型の凸部分のデニム生地の表面が薄く摺られることによって、「ヒゲ」があらわれる。この工程は「シェービング」と呼ばれる。
またダメージ加工といって、裾などの生地を削ったり、手作業でヤスリをかけ、さらにユーズド加工を施していく。
右上は工場の中にあって特別なセクション。
大きな仕切り壁が重々しく電動で開き、薄暗い部屋が姿を現した。
雰囲気はターミネーターのサントラを思い出したくらいだ。
細かい砂を吹き付けるサンドブラスト加工のセクション。
ヒップや太ももなど、広範囲にユーズド加工をかける時に用いられる技法だ。
薄暗い中には完全防備の作業員が大きな機械で轟音を轟かせていた。
カメラは近づけない。なんでも飛び散る砂で、カメラなどの精密機械にとっては致命的だという。たしかに、ここに居ても砂が飛んできた。

この後プロセスは仕上げ段階へ入る。
そのすべては手作業で細かい作業である。
例えば汚れた感を出すためのオーバーダイ、エアブラシやコーティング処理を施したり、熱処理で色を固着したり。さらにより細かいディテールを出すためのクラッシュ加工を施す。これは縦糸のみ削って、横糸を残す熟練を要する加工である。
ここは製品染めも施す工場。
大きなドラムがいくつも並んでいる。
洗い加工も、ジーンズの風あいを出すための加工方法の1つ。
アタリ感やダメージ感を深めるのである。
また、この洗いの工程の中で穴を開ける。これは生のジーンズに穴を開けてしまうと角ばってしまうためだ。この微妙なニュアンスは、日本だからこそ拘るところだ。
巨大なドラムはジーンズの洗い加工用のもので、5、60本のジーンズを一度に洗える。
90°という高温で1、2時間回すという。
ドラムの中には軽石が入れられ、ジーンズと一緒に洗われる。この加工こそ「ストーンウォッシュ」である。
ドラムの中でジーンズと軽石がこすれあい、ジーンズの裾やシワで凸状になった部分に「アタリ」と呼ばれる色落ちが生じ、風あいが増す。
角ばっていた軽石も最終的に粉々になり、最初50kgあった石は30kgに減る。
石で「顔」も変り、最近では石以外のものも使用している。
またここで施されている20箇所以上のピン打ち作業。
裾やポケットなどの生地を折ってピンで留める。洗った後には細かいシワの濃淡が現れる。
また、最も重要な作業の一つ、ブリーチ加工においてインディゴの色をフェードアウトさせる。
薬品の量と共に、ドラムをどの段階で止めるかは、最終的に人間の目で決定され、最後はドラムを30秒単位で回して調整していく。それで毎回毎回色を合わせるのだ。
職人の長年のカン。だから工場ごとで差も現れるという。
この後脱水し、ジーンズは大きなタンブラー、もしくは天日干しで乾燥される。
天日干しでは風合いが自然となる事から、最近は納品先からのリクエストが多いという。
ちなみに、排水処理施設を見せて頂いたが、きれいな排水に驚いた。
多額の処理費用だというが、この手の規制は厳しいようである。
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