
| 変わらないため変化をする― 世の中のあらゆることは、一瞬も同じところに、同じ形でとどまってはいないから。 私がこんなことを気付くのには10年以上必要だった。 寂しいからそこにいる。 それに変わらないでいたかったから。 最後の一人になるまで手を振っていた。 そしていつもこう思うのだ。 「皆どこかへ行ってしまった」と。 人間は過去では生きられない。 しかしやがて愛のようなものによって、それらは美しさへ浄化される。 そんなことを考えているのは、この瞬間きっと私だけだと思っていた。 |
女性が本質的に持つ美しさを引き出すため" 時間と調和" をコンセプトに繊細で緊張感のある服を創りつづける。 |
| デザイナーsuzuki takayukiは、2002年秋冬、1点モノのみによるコレクションを発表して以降、彼の持つ世界観をベースに展示会形式での発表を重ね、2004年より組織体制を調え全国へ展開を始める。現在ではオーダーメイドでの服作りやウェディングドレスのラインも含め、表現の場を拡げている。 一言で言うと、肩肘張らず、人生をリラックスした雰囲気。 デザイナーsuzuki takayukiという名前を多く耳にした2008年だった。 年末差し迫ったこの時期は、今後本格的に展開予定のメンズコレクションの制作中という時期であった。 「時間の経過」をコンセプトとした上質なワークウェアである。 |
| 実はsuzuki takayukiという名前をよく見かけたのは、彼のラインが3つあったこともあった。 伺うと、それらはそれぞれコンセプトを分けられている。 suzuki takayuki = コレクションライン ikkuna/ suzuki takayuki = オーガニック素材に特化したデイリーウェア toha = コレクションラインでは表現できない企画やコラボレーションを表現するためのライン ラインを分けて展開しても、実のところ回りきらないブランドは多い。 残念ながら、強者の戦略の真似をして立ち行かなくなったブランドをいくつか目にしていた。 Q 数ある若手ブランド・デザイナーの中で、suzuki takayukiはスマートにキャリアを積んでいるように見受けられます。(複数のラインがコントロールされている事と、通常はあまりラインを増やす余裕がない)これは凄い事だと思います。このことについてご自身はどのように捉えておるのでしょうか? A 別のことをやっている意識というよりも、もともと1つだったものを明確に差別化していくことによってラインを分けているので、僕自身としては表現しやすくなっています。 Q 苦労なさっている事等は、ありますか? A 特には無いです。 表現をするということは意外と難しい。 まずは自分のやりたいコンセプトを明確に自分で差別化できるかということ。そして何よりも自己満足で終わらず次のステージへ行けるか。さらにそれは一人では完結できないという矛盾にも似た現実。場合によってそれは不可能に近い。 Q 今を成している大元にあるフィロソフィー的なものは何でしょうか? A 幸福論=「良く生きる」ということです。 |
| Q 最近の日本のファッションについてどう思われていますか? 例えば、ある一時期に比べて、ジャンルが細分化されてきました。 A 洋服だけではなくて、ライフスタイル全般のデザインが求められているのだと思います。 Q suzuki takayukiの夢・ビジョンは― A 世界感を打ち出せる国内・海外でのオンリーショップです。 Q もし、服飾デザインをしていない人生だった場合、どのような人生を送られておりましたか? A きっと何かしらものづくりに携わっていると思います。 Q suzuki takayukiにとって、ファッションとは何でしょう? A 時代の総意でしょうか。 Q 最近、最もパワーを注いでいるもの。最もフォーカスしているものは何ですか? A デザインを通しての実社会との関わりです。 ―suzuki takayukiの安定感の理由が、分かったような気がした。 |
| 人の歩みは、現在を繰り返すようなもの。 系譜は一本の糸のようでもある。 振り返ったとき、そこには自分の選択がある。 だがそこに自信を持つ以前に、信じるものがある人は、今の日本には驚くほど少ない。 時間の向こうに押しやられた人が、多い気がする。 時間の持つ刹那的な儚さを直視しつつ、社会的活動ができるということ。 それが私の感じたsuzuki takayukiへの大きな信頼感。 時に埋もれることなく、本質を味方につけている。 さらに表現者としてのアウトプットまで何のコンフリクションやストレスも感じられない。 これはややもすると暗黙知的な領域であるが、このことは表現者としてはこの上ない成功なのである。 時間と美しさ。二元論にも似たこの二つを克服し、統合の下新たな時間と美しさを展開するsuzuki takayukiから目が離せない。 『人々は、真っすぐに歩いてゆきます。 それぞれが信じるものに向かってただ進んでゆきます。』 (suzuki takayuki 2009SSコンセプト) |
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