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輪派絵師団

クラブでのパフォーマンスだけに留まらず、CM、TVと多くのメディアで活躍する彼らの最初の作品は美術大学の学生時代に制作された。
若者特有の熱い、開かれた感性は多くの先駆者たちの影響を受け、Time Lapse(早回し)という映像手法は決して新しいものでは無かったかもしれない。しかし彼らの表現はオリジナリティに溢れていた。
当時、米国で新しいメディアとして認知され始めていたYouTubeで記録的なプレビュー数を叩き出したことで証明されることとなる。(その後、日本語版YouTubeではピックアップアーティストとしてトップページを飾ることになった。)
大学構内の片隅で行われていたそのアート活動は一躍世界中に知れ渡ることになったのである。
東京、代官山。フライヤーにはクラブ好きならお馴染みのDJの名が並ぶ。
ステージにはDJブース。後ろのスクリーンにはVJのトリッキーな映像が映し出されている。そのステージの両脇に白い大きなペインティングパネルが立てられていた。そしてDJブースの前には轆轤(ろくろ)を回す外国人。実にシュールなビジュアルである。
0:00のスタートにも関わらず、フロアは人で溢れていた。
DJのつくり出すビートに合わせ彼らのペインティングは見る見る内にカタチを成していく。
早い。これだけのクオリティのものをこのスピードで描いていくとは正直思っていなかった。まるでYouTubeで見たTime Lapseそのものではないか。
もちろん彼ら以上に絵の上手い人間や、描くのが早い人間はいるだろう、しかし彼らの本当のパフォーマンスはここからである。
仕上がったグラフィックの上にさらにペイントを重ねる。グラフィックはまるで命が吹き込まれたように新しいグラフィックへと変わっていく。
中央の轆轤の土はさらに高くなる。
まるでパフォーマンスに合わせるかのようにDJはビートを奏でる。
それに答えるようにオーディエンスは盛り上がる。
今宵は最高に熱い。
フロアの盛り上がりは彼らにも力を与え、パフォーマンスはさらに勢いを増す。

輪派


輪派とは文字通りループのことである。この力の輪を生み出すのが輪派絵師団の本当のパフォーマンスである。
描いては消して、消しては描く。この繰り返しであるループ。
そして人と人とをつなげる輪。
これが輪派絵師団の名前の由来だと彼らは言う。


このピースフルな想いは、映像などの作品制作にも反映されている。
たとえば、渋谷の裏路地を少し歩けばアートとして不完全なグラフティを目にする。
彼らの作った映像を一見だけ見て、このような(どちらかと言えば)違法性のあるグラフティと同じジャンルで捉えている方も少なからずいるであろう。
残念ながらその認識は間違っていると言わなくてはならない。


彼らがペインティングしているのは、街の壁ではなく、セットである。
既にそこからクリエイティブは始まっている。
全ては演出。
自らのアートを表現する為、みんなを楽しませる為でもある。
作品制作は1ヶ月や2ヶ月に及ぶときもあるという。
「外にセット組んでいるんで、台風の時は大変ですよ。」と彼らは笑いながら語ってくれた。
過程全てを楽しみ、人々を楽しませる。そして誰も傷つくことはない。
この活動こそがクリエイティブあり、アートである。
現在、輪派絵師団はNOIZ-DAVI(団長)、山本大輔、D.H.ローゼン、笹井あかり、XOLA、の5人で活動を行っている。
この5人は、輪派絵師団だけでも多くのオファーがあるにも関わらず、各個人でもクリエイティブな仕事を抱えている。
今の悩みはもっぱらこの辺りにあるようだ。


あの熱い夜を体感した私はもう一度、輪派絵師団のパフォーマンスを観に行くつもりでいた。しかしこの取材期間中パフォーマンスが行われることは無かった。
それぞれが多くの仕事を抱えているが上、メンバー間のスケジュール調整が上手く行かないのだ。
輪派絵師団へのオファーは世界中から殺到している。
時間を調整するのは難しい。






「輪派絵師団のメンバー一人でパフォーマンスはしないのですか?」
「メンバーの誰か一人がいないパフォーマンスをしたことはあります。しかし5人の"輪" が輪派絵師団のアートですから・・・」とXOLA。

今まで大きなプロジェクトをクリアしてきた実績もあり、プロジェクトへのオファーは次々にくる。しかしそれに答えることができないもどかしさが伝わってきた。

「いまオファーがきているのは、ホテルの壁画のペイント。これはやりたいよね・・・」流暢な日本語でダニエル.H.ローゼンは言う。
「輪派絵師団の仕事は、輪派絵師団のアートでなくてはならない。」と言ったのは笹井あかり。


あのクラブで観たパフォーマンスのように、そして映像に写し出される数々の作品のように、描いては消し、消しては描く。グラフィックはまた新しいグラフィックを生む。それが、輪派絵師団のアート。
過去の輪派絵師団が新しい輪派絵師団を生み、さらに次へと変化するように。


ループ
時計はグルグルと時を刻む。

世界は繋がっている。


世界は次の輪派を待っている。
輪派絵師団
NOIZ-DAVI  輪派絵師団 団長、映像監督、日本画作家。
山本大輔  映像作家、ペインター、版画作家。
D.H. Rosen  陶芸作家、コピーライター
笹井あかり  ペインター、陶芸家。
XOLA  ペインター、映像セット・メーカー、美術家。

公式ホームページはこちら rinpaeshidan.jp



小林鉄平
Japan-Fashion.com


活動歴
<Live-Art Events>
2006.11.19 Rinpa Vol.11-Bridge(横浜)
2006.12.24 White&Illuminated Christmas in Daikoku PA(大黒パーキングエリア内)
2007.1.12 Test Tone-Super Deluxe(六本木)
2007.1.14 Rinpa Vol.12-Bridge(横浜)
2007.1.30 Quick flick world-Super Deluxe(六本木)
2007.1.10~12 Reggae Snow Splash-Canions Alpine Resort(水上)
2007.3.3~4 舞踊祭-ZAIM(横浜)
2007.3.25 Rinpa Vol.13-Bridge(横浜)
2007.4.15 Tacos-Super Deluxe(六本木)
2007.4.28 nuan+PARCO meets 輪派絵師団-PARCO前(渋谷)
2007.5.11 Tech Booty Funk-La Fabric(渋谷)
2007.5.27 Rinpa Vol.14-Logos(横浜)
2007.6.12 Test Tone-Super Deluxe(六本木)
2007.7.14 Red Box-Super Deluxe(六本木)
2007.10.26 Out of Reach (六本木)
2007.10.27 "Vacation Forever SuperDeluxe," Tegwon 2nd Album Release Party, SuperDeluxe, (六本木)
200808.1.19 Chill Planet-Super Deluxe (六本木)
200808.4.18 SPIN-eggman(渋谷)
200808.4.19 [en]Exhibition opening live (新宿)
200808.5.31 Ready Set Go!!(Red Box Project), Unit(代官山)

<Videos>
2006.10  Room
2007.1  Terra Trance
2007.4  Garden
2007.8  Cube
2007.10 Beijing★

<Commercial Films>
2006.12 KDDI mobile America(CM 30秒)
2007.4 サラリーマンNEO(オープニング映像 60秒)
2007.4 TSUTAYA 半額キャンペーン(CM 15秒)
2007.5  栞 suburban featuring shing02(PV)
2007.12 Pioneer Plasma TV「KURO」

<Exhibitions>
2007.5 Boice Planning 4th Exhibition-BoicePlanning (神奈川)
2007.5 Fed Square Short FilmFestival (オーストラリア)
2007-.9 "From/Emptiness, "and/or gallery (ダラス、テキサス)
2007.11 "Video art exhibition"-The Artcomplex Center of Tokyo(新宿)
2007.11 輪派絵師団展-Maru Gallery(田町)
200808.3 "輪派絵師団[en]" 展 Art Complex of Tokyo(新宿)


2007.9 Dangdai International Arts Festival(DIAF)-798art district(北京,中国)
2007.12 金沢芸術村 "Wall 'wow' Project" (金沢)

<Prizes>
2007.7 CK IN2U カルバンクライン runner up受賞


DVD information



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